20100315

見えない空気

金曜日に父が急性アルコール中毒で救急車で運ばれた。

「酔っぱらいに救急車だなんて大げさな」と思ったが、血圧計が挟まれている指が黄色くなっているのを見た時はっとする。

土曜日に街に出て、人身事故でロープが張られて通行止めになった地下鉄のホームの向こう側を見て見えない死というものの空気を感じる。

そして、救急車の中で、父の汚物を整理している人たちの姿と、見えない向こう側のホームで肉片と血を整理している人たちの姿が重なる。

頭の中で何かがグルグルと回る。

胸がギュ〜っと締め付けられる音がした。

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